謹賀 旧暦生活のすすめ 新年
日本では明治5年11月9日(旧暦)に改暦が発令され、同年12月3日が明治6年1月1日となりました。
それまで1269年にわたり、日本の歴史と文化を刻み続けてきた「こよみ」(太陰太陽暦)に変わって、グレゴリオ暦(太陽暦)が採用されました。
1873年のことでした。現在の「西暦」は1582(天正10)年、グレゴリオ13世によって制定されたもので太陽と地球の運行を基にした暦です。
一方地球と月と太陽の運行を取り入れた太陰太陽暦は4千年前に中国で農暦として用いられ始め6世紀に日本に伝わったとされています。
そして今なお中国や韓国の人々生活歴として根強く活き続けています。
基本になった太陰暦は一ヶ月を29日、あるいは30日一ヶ年を12ヶ月と定めているので太陽年より約11日短くなっています。
そのズレに閏年を置き調整します。(閏年は一年が13ヶ月となります。平成26年は9月が2回ありました。
和風月名も旧暦における各月の日本風名称のことで、日本独特の豊かな季節感から生まれたものと考えられ新暦の月名ではありません。
春、夏、秋、冬も期日が決まっています。月の姿の名称も一旬も干支も方位もきちんと決められていて自然と一体になっている為生活に不安がおこりません。
安心した生活を営むことができるのです。
四季変化の鮮やかな日本。その風土に育まれた往時の文学作品にうたわれた季語や歴史上の日付は全て旧暦です。
大河ドラマやTVの歴史物の風景は新暦で作られていますので当時とはまったく違った景色が使われてしまっています。
人物の誕生や歴史的事件は旧暦ですので全く違った日が記念日になってしまっています。
神社仏閣も新暦で行事が行われてしまっています。
また天保13(1842)年からは不定寺法が導入され、一刻(約2時間)の長さが夏と冬で違っていました。
この時から既に日本では1年中サマータイムが導入されていた訳です。
旧暦時代は暦や時計がなくても月を見れば日付が分かり太陽の高さを見て時刻が判断できたのです。
人間性回復の原点は、生活に季節感を取り戻すこと。
エコロジーの面からも深い知恵に裏打ちされた「自然暦」としての「旧暦」を今こそ見直してみようではありませんか。
当院では治療に「花・鳥・風・月 ……」旧暦生活を取り入れています。平成28年度の旧暦1月1日は新暦2月8日です。
いにしえの人々を思いながら旧暦で正月を祝いましょう。