見番見学ののち箱根からロマンスカーを乗り継いで渋谷の観世能楽堂へ直行しました。
観世能楽堂が渋谷から銀座へ移転をするそうで
大倉流祖先祭が能楽堂に感謝を込めてと題して催されました。
ゲストで野村萬斎さんが出演し「雷」という演目を披露されました。
夕立ちを降らせていて空から落ちてしまった「雷様」に
雷が怖い「やぶ医者」が鍼をうつ一部始終を狂言にしたものです。
鍼灸師の私にとって願ってもない私の為に企画していただいた様な出し物でした。やぶ医者や治療費を払わない患者など江戸時代からいたようです。
当時の社会現象や医師現場の情勢、医師の在り様 等々… 患者の様子は現在とほとんど変わらない世状がうつし出されていました。
治療方法や経穴も正確で作者は漢方治療を十分に理解していたようです。
大勢の聴衆のなかでこの雷という作品を最も理解・感動出来たのは私だったのではないでしょうか。
ところで「やぶ医者」とは本来中国の古典に出ている「養父医者」という。
病気の父親を看病しながら医療に当たる名医、人格者の見本のような医師の事を言い医者を褒める最大の褒め言葉だったそうです。
江戸時代にはすでに誤った解釈がなされていたようです。
チャップリンの映画にクーアハウスでの乱暴なマッサージやトレビの泉にワインを入れて、医療をありがたがる人々を風刺した作品があります。
「葛根湯医者」や道楽息子が鍼を打つ落語があります。
世界中で昔からおかしな医療が行われていた様です。
帰りにお花までいただいてしまいました。
「こいつは春から縁起がいいわいな~ ポン!!」
ご招待いただいた 須藤様 宮崎様本当にありがとうございました。